限りある時間の使い方 を読んだあとに、レコメンドで出てきて、それなりに読まれている本のようだったので読みました。
割と多くの本で言われている「本当に大事なことに時間を使え」の部分を切り取りった内容です。どういった考え、行動、習慣を身につければ本当に大事なものを選び取れるのか = 「エッセンシャル思考」について書かれた本です。
限りある時間の使い方 は哲学よりでしたが、こちらは割と実践やテクニックよりです。
読書メモ
特に印象に残っているのは、情報の本質をつかみとる。
表層的に見えている情報以上のことを読み取るには深い思考が必要で、特に人の話からそれをするためには、かなり集中力を持って人の話を聞く必要があります。人の話を聞くのは本当に難しい。
また、一人で深くゆっくり考える時間を持つ習慣を作ってみようと思いました。
遅考術から始まった、なんかちゃんと考えられていない気がする問題はこの本でいったん終焉を迎えそうです。
より少なく、より良く
「より少なく、より良く」と常に考えることが大事。
特に「良く」の部分が大切で、単に少なくするだけでは十分でない。
選択の仕方
服を捨てるときの考え方では、
「いつか着る可能性があるだろうか?」
ではなく
「大好きか?「すごく似合うか?」「しょっちゅう着るか?」
同じように
「これをやったら、他の何よりも重要な成果が得られるだろうか?」
という基準でやることを選ぶこと。
なぜ人は選ぶ力を手放してしまうのか
なぜ人は選ぶ力を手放してしまうのか
「学習性無力感」。抵抗しても抗えない経験を積むと、そもそも選択ができる事自体を忘れてしまう。
犬の電気ショック実験の例、電気ショックをとめられなかった犬は、そこから逃れられる状況になっても試行錯誤さえしない
忙しすぎる人も構図は違えど同じ状況に陥っている。
トレードオフ
「戦略的ポジションは、別のポジションとのトレードオフなしには維持できない」
サウスウエスト航空は、単線/低サービスにポジションを得た。コンチネンタル航空も同じことをしたが、多数の線を持ち、機内食などのサービス豪華な通常のスタイルを捨てられなかった。
そのため、コスト削減が徹底できず失敗に終わった。
ジョンソンアンドジョンソンの例は、逆に顧客第一主義によってシャープな決断が出来た例。
トレードオフから目をそむけても、トレードオフからは逃れることはできない。
エッセンシャル思考と孤独
集中するためには、集中せざるをえない状況に自分を置くしかない
本当に大切なことを選びとるには、集中して物事を考えることが必要である。それにはある種の孤独が求められる。
意識的に邪魔が入らず、ゆっくりと物事を考えられる環境に身を置くこと。
ビル・ゲイツはマイクロソフトの全盛期ですら、年に2回1週間のやまごもりをしていた。
情報の本質をつかみとる
「ビバリーヒルズ高校のピーター校長は今朝、職員一同に研修旅行の知らせを告げた。来週木曜、職員全員でサクラメントへ行き、新たな教育メソッドに関する会議に参加する。(後略、様々な行程が語られる)」
この文章の要約はなにか。
来週の木曜日は休みだ
これはとても示唆に富んだ文章だと思う。表面上の些末な情報を無視して、本質的な情報を捉えることは難しいがとても重要である。
妻や子ども、部下が不満をいってきたときに、その背後にある意図を読み取るのと似ている。
非エッセンシャル思考の人は、耳は傾けているけれど、いつも何かを言う準備をしている。(中略)自分がコメントすることばかりを考えていて、話の本質がつかめない。
情報の本質を得るための行動
- 現場を見る
- 普通を知り、逸脱を探す
- 問題を明確にする
遊ぼう
「遊びは脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にしてくれます」
遊びは目的がないからこそ、些末な情報の中から本質的な部分にフォーカスできる。遊ぼう。
編集の四原則の1つ凝縮について
「編集者著者にたずねるべき基本的な質問が2つある。『言いたいことを言えているか?』と『言いたいことを最大限明確かつ簡潔に言えているか』」
とにかく、フォーカスすること、シンプルにすること、が大事だ。
文章を書くときだけでなく、Slackで人に何かを伝えるとき、Twitterに書き込むときに参考にしたい一文。
曜日ごとにやることを変える
ツイッターの創業者のジャック・ドーシーは、おもしろいやり方をしている。曜日によってテーマを決めるのだ。
コンテキストのスイッチは思っているよりも脳のメモリを消費する。しょっちゅうトピックが切り替わるので深い思考ができなくなる。
1つのテーマについて1日ずっと考えていると割と話はシンプルだったりする。
エッセンシャル思考のリーダーシップ
人材の選別にこだわり抜く
目的が完全に明確になるまで話し合う
メンバーの役割をあいまいにしない
正しい情報を正しい人に正しいタイミングで伝える
これは他人にもエッセンシャル思考を実践してもらうようにする方法である。メンバーに入り込むノイズを減らし、フォーカスを促す方法である。