驚異的な論文数を持つドイツの社会学者のメモ方法について解説した本です。その方法の名前がZettelkasten(ツェッテルカステン)と言います。
Zettelkasten(ツェッテルカステン)は、長期間にわたりメモをとり、それらを自分が興味のあるテーマに対して有用していくためのメモ術です。
「書かないかぎり体型的に考えることはできない」
「紙やコンピューターの画面に書いたメモは(中略)現代物理やその他の知的試みを容易にするのではない。可能にするのだ。」
アイディア書き出し、客観視して、推考を重ねることはじめて有用なものとなる、むしろ書いてこそ思考ができる = 書かなければ思考はでないとまで言っています。
実際に私はこの2,3日でどうでも良いアイディアを書き出して推考してみました。すると、思考段階では矛盾がないように思っていたアイディアでも、書いてみると論理的な破綻やロジックがスムーズでない部分が見つかることがわかりました。
複利でのメモ術である
そしてZettelkasten(ツェッテルカステン)では、このアイディア同士をつなげていくボトムアップでの発想法を推奨しています。
推考されたアイディアを貯めていくと、まったく別の文脈でアイディアが同士の関連が見つかり、単独をアイディアを強化、または反証してくれるようになります。また、それぞれのアイディア同士が勝手にアウトラインをつくり、新たなアイディアを生むようになるとのことです。
このへんはまだ始めたばかりなので、大きな実感はないのですがそんな予感を感じています。
Zettelkastenを始めるためのアドバイス
もしここまでを読んで、Zettelkastenを試してみたいと思った奇特な方がいたらその方へアドバイスです。
- Webでの情報収集に頼らずこの本を読むこと
- ツールの整備は後回しにして最低限にすること
私も最初Webの文献に頼っていましたが、各記事で主張が違い混乱を生みました。そして結局はこの本を読み、やっと全体像を理解することができました。そして、多くのWeb記事は間違った内容でした。
「Zettelkasten やり方」などで調べるとツールセットアップ系の記事も多く出てきますが、Zettelkastenに対する間違った理解の元で延々とツールの話が出てきてしまいます。これも本質的ではないのでツールセットアップの誘惑に負けないようにしましょう。
ただ、いつでもすぐにメモを取れるようにしておくことは重要です。わたしはiPhoneのショートカット機能とObsidianというメモアプリを使って、即座にメモをとれる環境を整えるのみにしました(これでも時間をかけすぎたと感じています)。