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「悪魔の傾聴」著: 中村 淳彦 の感想・レビュー

読んだきっかけ

年々、自分の話ばかりしているなと感じることが多くなり、しかも、それがわかっていてもやめられないことにけっこう問題意識がありました。

しかし状況としては妻 / 子ども / 部下などなど、話をよく聞かないといけない対象が増えていき、そこのギャップを埋めていかないとまずいと感じるようになりました。この症状がどんどん進行していくと老害になるんだろうなという感覚です。

そんな気持ちがうっすらあった中でこの本を本屋で見かけたので「悪魔の」というのはちょっと俗っぽいなと思いつつ読んでみることにしました。

感想・レビュー

内容はシンプルですが、割と参考になりました。

「東京貧困女子。」で有名なノンフィクションライターの方が著者で、インタビューを繰り返す中で得たテクニックをまとめたものです。そんなわけで、親しくない間柄で濃いを話を引き出すためのテクニックという側面も強いですが、基本原則の部分は一般的な場面でも使えそうです。

特にHHJ(否定、比較、自分の話)の禁止、ピックアップ・クエスチョンという2つのテクニックはシンプルですが、これさえ心に刻んでおけばいったんOKという気がしました。簡単な2つのテクニックなのですが、わかっていても私を含めできていない人が多く、これを意識するだけでかなり傾聴できるのではないしょうか。

「自分の話など無価値で底辺だと思って、とにかく自分語りをするな」という底辺自覚マインドというコンセプトもけっこう心に刺さりました。私は自分の話をするのが好きなので、自分の話の吐き出し口はこのブログにして、リアル世界ではあまり自分の話をしないようにしようと誓いました。

「人は本質的に自分の話を聞いてほしい生き物だ」、だからこそキャバクラやホストクラブなどの業態が成り立つのかもしれません。私は自分の話ばっかりしていますが(内心どう思われてるかは別として)一応まわりの人は話を聞いてくれるので恵まれてますね。

さらっと読めるので全管理職のおっさんは読んだほうが良いと思いました!

読書メモ

ノンフィクションライターが書いた
素質はいらない、テクニックでできる

1. 基礎編、ピックアップクエスチョンと雪だるま術
HHJをしない
否定する、比較する、自分の話をする
庄やもいいけど磯丸水産はもっといいよ
→庄やは安いし、落ち着くし、いいですよね

ピックアップクエスチョン
すでに相手が発言した単語や主旨を拾い、即時に短い質問を投げかける

自分の好き嫌い、興味関心は一切関係ない、とにかく相手が会話を継続できる質問をする

自分のほうがいろいろ知っているという気持ちを捨てる

人は話したいことを聞いてくれた相手に好感を持つ

人の行動には必ず行動があるという前提で話す
頑張ってね→えー、どうしてやめっちゃたんですか?

欲望や感情を探る

初回の質問ではノーという返答が来そうな質問はしない、会話の主導権は常に聴く側にある

2. 実践編 悪魔の傾聴を使いこなす
傾聴に適した場は相手のオフの場
極端な話、自宅、難しいなら近所のカフェなど
もしくは相手にとって思い入れのある場所

座る位置は対角線、正面にたたない、90cm以上はなれる、対角線がとれないなら補助席位置でも可

質問は準備しない
メモもとらない
ただし短いインタビューは除く

クローズドクエスチョンはさける
家賃は高いのですか?→家賃はいくらくらいですか?
クローズドクエスチョンが有効なのは相手が極度の口下手なとき

相手が泣いてしまってもどうして泣いているのか聞く

沈黙しても相手が話すまでまつ

触りにくい話題にもふれる
リストカット痕など

相手がズレた話をしだしたときは間ができたときに質問をいれなおす

3. 悪魔になるためのここの調整、欲望の断捨離と心のセンタリング

傾聴の目的は一つに絞る
好かれたい、聞き出したい、相手の幸せなど
これが済んでると相手からの予期せぬ豪速球的なカミングアウトにも耐えられる

立派な想いもすてる
幸せを願う、助けたいなどの上から目線な気持ちは傾聴の妨げになる

信頼されたいという気持ちもすてる
信頼をコントロールしようとしない
信頼は結果論

常に心のセンタリングを意識する
中立の立場で

よく多くの情報をするためにどこにも属さない

成長、学びのようなポジティブなワードは使わない
意識が低い人からの発言に制限がかかる

自分の話はしない
常に底辺だと思え
ブログに書こうと思った

相手の気持ちを理解するという気持ちをすてる
理解しようと思うとすぐに受容の限界を超えてしまいゴールに到達できない

4. 人の本音最後まで聞き切るテクニック
劇場型イメージ
頭の中でイメージ化できるまできく